精神科という狭い檻の中で生きています

ひょんなことから精神科ナースになってしまった私の日々

精神科ナースになった経緯

うら若き(笑)看護学生だった頃、私は将来外科系の看護師になるんだと決めていた。

まぁ、もう十年以上の話なんだけど。

 

外科って花形だよなぁっていう勝手な妄想で。

 

整形外科には興味なったし、循環器内科とか言葉も知らなかったし。

とにかく何でもかんでもキビキビしてキリっと働いているのは外科系ナースだって

思っていたから(今更ですが他科の看護師さんごめんなさい)

そして多分病院で幅を利かせられるのも花形の科に所属するナースだ!

とかなりミーハーな理由です。

 

看護学生時代に精神科に実習にも行ったけど、最初から興味なかったし。

私は准看護学校から短大の第二看護学科に進学したので精神科の実習も

2回行っている訳ですが、本当に、興味が持てなかったし、精神科は医療行為や

処置も外科系に比べたら少ないし、看護師のいる意味とかよく分からなかったし。

 

精神疾患の勉強内容なんてあんまり覚えていない。

精神科看護の講師で来ている先生は准看護学校でも変な人だったし、

短大時代も…一応精神科経験ありの講師の先生に教わったんだけど

教わった中身なんて全く思い出せない(というか授業中寝ていたからね)

 

短大を卒業してから看護師になって、手術室(第3希望…)消化器外科、

その後プライドばかり高くて実はあまり何もできなかった無能ナースな私は

転職を繰り返し、3年目からはほとんど派遣で働いて。

 

それでも各職場ではできないながらも先輩や指導者に恵まれて、そこそこ

何とかやっと看護ができるようになったかなぁと思った(でも全然中途半端)

5年目で、とある派遣会社の契約社員ナースとなり、医療過疎地へ転勤する

こととなった。

 

医療過疎地域と言っても一応急性期の病院はあるワケで、最初の半年は

温泉病院みたいなリハビリ専門病院でゆるくやっていたんだけど、

温泉病院は上司と揉めたりして結局半年しかいられずに急性期の病院に

転勤という形になった。

 

その後片田舎ではあるけど、急性期の病院に勤めること(同じ病院です)7年。

派遣で7年間も同じ病院にいられるって結構すごいことだと思うんだけど。

産休代理派遣で派遣されていたから、その間ずっとその病院には産休者が

絶え間なくいたってことなんだけど。

 

でも去年、ついに産休者がいなくなったため、派遣の更新ができなくなった。

派遣会社は1年契約更新で、派遣される病院は半年ごとの更新。

派遣会社からはもともといた温泉病院に戻ることを勧められ、その温泉病院に

戻ろうとしていたけど、家庭の事情があり、私はその派遣会社を辞めてしまう。

 

田舎に定住とは思っていない。田舎嫌いだし。

 

だけどのっぴきならぬ理由で私はその土地から動けなくなっており、もといた

温泉病院も通えなくはないが状況も変わっており、私は派遣会社を退職し、

地元の病院に就職するしかなくなった。

 

派遣会社では年俸600万円もらっていたのに田舎の病院の常勤になるということは

年収も150万円近くダウンは当たり前。

 

しかも住んでいる地域では就職先が限られる。

 

今まで派遣で行っていた急性期の病院に常勤で入るか、透析専門病院か

精神科か温泉病院(お看取り専門病院)しかないわけです。

 

急性期の病院に居続けるつもりはさらさらなくて。高齢、過疎地域の急性期の

病院は忙しいし、高齢者、認知症ばかりだし、ろくな医療も受けられないから

患者さんがなくなるたびに「これでよかったのかな」とやり切れない想いに

なることも多かった。病床は常に満床で患者は文句ばかり、退院先や転院先、

受け皿も社会資源も乏しい地方で、患者は居座るし。

 

常勤さんはこの安い給料でよく働くなって額のお給料だったのでまず派遣で

行っていたその病院の常勤は考えられなかったし。

 

地域の中でそこそこのお給料で、なおかつ年間休日120日以上という条件も

よかったし、今まで派遣でどこででもやってこれたんだから新しい科なら

勉強しなおせばいいと思って精神科を次の就職先に選んでしまった私。

 

この選択が良かったのか悪かったのかは恐らく数年後に分かることに

なるんだろうけど。

 

精神科に入学しました

 去年の夏。

 

運命の悪戯が重なり、私は急性期病院勤務の看護師という肩書をある意味剥奪され、

精神科に勤務する看護師となった。

 

ここは片田舎にあるとある精神科病院

今までずっと急性期の病院で患者さんと関わってきた私に衝撃が走る。

 

人生や人との関わり方、今まで自分が展開してきた看護すらも全て否定されるような

そんな精神科病院での話を書いていきたいと思います。